工房名を〈工房 アイオロス & 風花〉にかえる。アイオロスは、風神。
〈陶工房 Sigeru & 風花〉の陶を消し、風花は風花のままに、Sigeru は風になる。....風に〈わたし〉はなく、作用だけがある。
再び、鷲田清一から引用。
歌うこと、それはわたしが別のだれかに、ある意味内容をもったメッセージとか情報を伝えることではない。〈わたし〉という人称のなかに閉じこもったふたりが向きあうことではない。それは、わたし、あなた、かれといった人称の境界をいわば溶かせるようなかたちで、複数の〈いのち〉の核が共振する現象とでもいうべきものだ。あるいは、現象学者、メルロ=ポンティの言いまわしを借りて、「〈わたし〉よりももっと古いわたし」たちがその身体ごと共鳴する現象と言ってもよい。
追記(2008年3月5日)
結局、翌3月にウェブサイトの新規構築に伴い、「Sigeru & 風花」という従来の工房名をそれなりに残した上での、「滋風」という名を採用した。
アイオロスという象徴の中にあった響きは、この幾分シンプルな名において、むしろ、より自由な調べとなることができるかもしれない。