〈工房 アイオロス&風花〉

  • 投稿者:Sigeru
  • 2007年4月16日(月)1時13分

工房名を〈工房 アイオロス & 風花〉にかえる。アイオロスは、風神。

〈陶工房 Sigeru & 風花〉の陶を消し、風花は風花のままに、Sigeru は風になる。....風に〈わたし〉はなく、作用だけがある。

再び、鷲田清一から引用。

歌うこと、それはわたしが別のだれかに、ある意味内容をもったメッセージとか情報を伝えることではない。〈わたし〉という人称のなかに閉じこもったふたりが向きあうことではない。それは、わたし、あなた、かれといった人称の境界をいわば溶かせるようなかたちで、複数の〈いのち〉の核が共振する現象とでもいうべきものだ。あるいは、現象学者、メルロ=ポンティの言いまわしを借りて、「〈わたし〉よりももっと古いわたし」たちがその身体ごと共鳴する現象と言ってもよい。

――鷲田清一『「聴く」ことの力』[別窓]124頁

追記(2008年3月5日)

結局、翌3月にウェブサイトの新規構築に伴い、「Sigeru & 風花」という従来の工房名をそれなりに残した上での、「滋風」という名を採用した。

アイオロスという象徴の中にあった響きは、この幾分シンプルな名において、むしろ、より自由な調べとなることができるかもしれない。